愛犬が突然のけいれん。もしかして、てんかんかも!?

さっきまで元気だった愛犬が突然バタンと倒れて震え出したら、びっくりしてしまいますよね。
しかし発作が起きたときほど飼い主さんの冷静な対処と判断が求められます。
今回はけいれんを引き起こす最も代表的な「てんかん」について解説します。

1.犬がけいれんを起こす時に考えられる原因

寝る犬

犬がけいれんの症状が現れた場合、3つの原因が考えられます。

(1)ケガによる痛み

ケガによる痛みに震えていて、それが痙攣に見えることがあります。
特に犬は背中やお腹をケガすると震えることがあります。
愛犬がどこか痛がっているところがないか確認してあげましょう。

(2)寒さや暑さによる痙攣

犬も人間と同様、寒さを強く感じると、震えることで体温を保とうとします。
夏でもクーラーの効き過ぎが原因で震えを生じる場合があります。
特に、パピー、チワワ等の小型犬、シニア犬は温度調節が苦手な傾向があるので、震えやすいです。
寒さは免疫を下げて様々な病気にかかりやすくするので、適切に温度管理してあげましょう。

また、夏場のけいれんは脱水症状の可能性があるので危険です。
すぐに動物病院に連れて行きましょう。

(3)病気にかかっている

  • てんかん
  • 脳腫瘍
  • トキソプラズマ症
  • 水頭症
  • ジステンバーウィルス感染症
  • 甲状腺機能低下症
  • 心疾患
  • 尿毒症
  • 肝性脳症
  • 中毒性物質の摂取
  • 糖尿病
  • 低血糖症
けいれんの症状で多いのがてんかんですが、その他にも様々な病気が考えられます。
このほかにも、破傷風などの
感染症や、夏に急増する熱中症、タマネギや除草剤などを口にしたことによる中毒症状なども、犬が痙攣を起こす原因になります。
また、脳腫瘍や水頭症などの障害により、てんかんが引き起こされることもあり、それを「二次性てんかん」といいます。
犬の場合は原因の特定ができない「特発性てんかん発作(=1次性てんかん)」が多いです。
一般に”てんかん”という場合は1次性をさすことが多く、今回の記事では一次性てんかんを解説していきます。


2.「てんかん」って何?

てんかんの図

・突然、けいれん発作が起きる脳の病気

・慢性の病気で繰り返すのが特徴

・けいれんの度合いはさまざま

・繰り返す頻度は1日に何度も発作を起こす子もいれば、1年に数回しか起きない子もいる

てんかんとは繰り返しおこる痙攣を主な症状とする慢性的な神経の病気をいいます。
脳内の神経回路がショートし、突然発作が起きるという病気です。
犬ではおよそ100頭に1頭(0.55~2.3%)の発生率があります。
てんかんは、主に5歳までの若年層にみられます。
一方で5歳以上の犬で初めて痙攣を経験する場合、2次性の可能性が高く、検査を行い原因究明をする努力が必要です。


てんかんの発作には、意識が無くなり、倒れてしまい痙攣するといった大きな発作から、体の一部がピクピクと震える程度のものまで、いろいろな症状があります。
通常のてんかんの痙攣は2分以内におさまり、もうろうとした後、しばらくすると何ごともなかったかのように通常の状態に戻ります。

3.てんかんの症状

2種類のてんかん
てんかんは2種類に分けられます。

(1)全般発作

・意識がない
・バタンと倒れ、手足の屈伸運動や、四肢をピンと伸ばしのけぞったりする。
・よだれを垂らす、失禁、嘔吐が見られることもある。

全般発作における痙攣とは、ガタガタと体を震わせるのではなく、四肢の屈伸運動を繰り返すように全身的に発作がみられます。
また、不安、落ち着きがない、よだれ、嘔吐などの前兆があり、突然前足と後ろ足がピーンと伸びたり、横転したり、後ろへのけぞったりし、足や口を細かくガタガタと震わせたり、手足の屈伸運動や犬かきをして泳ぐような動きが続きます。

通常、数十秒から2~3分間で終わり、普段の状態に戻る場合と、しばらくもうろうとしたり、何が起きたか分からずそわそわした後に普通の状態に戻ります。


(2)部分発作

・意識が残っているが、呼びかけには応じることもあれば、応じないこともある。

・体の一部分が痙攣する

部分発作は、意識が残っているが体が動かなかったり、体の部分的な痙攣だけが起きているものです。
部分発作は、脳の一部分だけが興奮した状態となります。
興奮した部分の脳と関係する体の一部だけが変化してしまうので発作となります。



4.どうしててんかんは起こるのか

発作の図

・てんかんの発作は、脳の中の興奮性のシグナルと、抑制性のシグナルのバランスが崩れることでおこる。

 脳の中では、規則正しいリズムの電気が微量に流れています。
正常な神経細胞は電気的ショートを起こしている神経回路に対して、それが広がらないように抑えているのです。
しかし、体調や環境の変化などによってついに電気的ショートが周囲の神経回路に広がってしまうことがあります。
この時に「てんかん発作」が起きるわけです。

5.発作が起こる前の前兆

近寄る犬
  • そわそわする
  • 物かげに隠れる
  • 飼い主に何か訴えるようにすり寄ってくる
  • 顔を振る
  • よだれを垂らす
  • 口をパクパク動かす

    これらの前兆が、直前に出ることもあれば、何日も続くこともあります。

6.発作が起きたらどうすればいい?

時計ペン

  1. 落ち着いて発作がおさまるのを見守る。
  2. 大きな声で名前を呼んだりしない。
  3. 撫でたり、ゆすったりしない
  4. ぶつかると危ないものが近くにあればどかす。
  5. 階段が近くにあったら、落ちないようにガードする
  6. 痙攣の開始と終了の時間を記録する、繰り返しておこる場合は頻度も記録する
突然の発作に家族の方は驚いてしまうでしょう。
苦しそうな愛犬の姿にショックを受けるかもしれません。

しかし全身けいれんを起こしている時は意識が無いので、犬自身は苦しいとかつらいという感覚はありません。
なのでまずは冷静になって、注意深く愛犬を見守ることが大事です。

対処法についてはこちらをご覧ください
【犬のてんかん】けいれん発作の時に飼い主がとるべき4つの行動

7.発作が終わったら?

なぐさめる

・呼吸があるか確認

・吐いてしまった場合は、口の中の物を取り除き、拭いてあげます。

・完全に回復するまで愛犬が階段に近づかないようにしましょう

・水を欲しがったら与えてもOK

・愛犬に優しく声をかけて、落ち着かせてあげましょう。

てんかん発作の後、犬自身何が起きたか分からず、ほえたり、よろよろしたりと混乱している場合があります。
何か悪い事をしたと感じているかもしれません。
飼い主さんは、落ち着いて愛犬を優しく撫でてあげましょう。

5分以上の痙攣や、連続でなければ、緊急で動物病院に連れていなくても大丈夫です。
愛犬が落ち着いたら、もしくは動物病院がすでに営業を終えていた場合は、日をまたいで連れて行ってあげましょう。

8.こんな時は危険!すぐに動物病院に連絡を!

スマホ

・1回の発作が5分以上続く。

・意識が戻る前に、続けて2回目の痙攣がおこる。

・発作の後、30分たっても完全に回復しない。

・24時間以内に発作が2回以上起こる。

この4つのいづれの状況も危険です。
そのまま放置すると後遺症が残ったり、最悪の場合は死にいたることもあります。
3分以上継続する場合は水でぬらしたタオルを体にまいて体温をさまし、すぐに病院に連絡しましょう。

9.てんかんの治療方法

犬と薬

・薬物治療

・自宅での予防

治療方法は、病院での治療と、自宅でできる予防に分けられます。
病院での治療の場合、投薬治療を行うですが、長い期間での治療が必要で、発作が治まっても継続的に投薬が必要となります。
より効き目の高い薬剤を特定して、定期検査を受け、適切な薬治療法を行っていると、発作を抑制するのに効果があります。
治療の目安として、1か月に1度以上の発作がある場合、薬剤の投与によって3か月以上の間隔で1度の発作を抑えられることがあります。

自宅でできる予防の場合、ストレスの少ない生活や食事に気を付けましょう。
一度でも原因不明の発作を起こしたことがあるなら、発作要因を高めないよう普段からストレスフリーな飼い方を心がけましょう。
また、甘やかすと逆効果になるので、化学添加物の多いペット用スナックなどのお菓子や食べ物を与えないよう注意しましょう。

さいごに

いかがでしたか。
犬のけいれんは、てんかん以外の原因も考えられます。
けいれんが起きたら、勝手に病気を判断せずに、動物病院で必ず看てもらいましょう。

また、てんかんは発症してしまったら繰り返してしまう病気なので、てんかんとうまく付き合いながら、生活を続けていく必要があります。
愛犬がどんなサインを出したら発作になりやすいのかを把握し、飼い主さんが看病のスペシャリストになってあげましょう。
また、家の近くに夜間も受け付けてくれる病院を把握しておいたり、信頼できる獣医さんと日頃から関係をつくっておくのも飼い主さんの役目です。

信頼できる動物病院を探すには、クチコミがチェックできるペットライフが便利ですよ。