マルチーズの脳腫瘍とはどんな病気なの?

腫瘍(しゅよう)と聞くとガンというイメージを抱くかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
腫瘍とは「かたまり」のことを指し、このうち悪性のものをガンと呼びます。
今回は犬頭の中にできる悪性の腫瘍=脳腫瘍という前提で、症状や治療について解説します。

1.脳腫瘍にも2種類ある





マルチーズを含む犬にとって、脳腫瘍(のうしゅよう)は珍しくはない病気です。
一言に脳腫瘍といっても、2つの種類に分けられ、脳から腫瘍が発生した原発性脳腫瘍(げんぱつせいしゅよう)と、体の別の場所、例えば乳がん・すい臓がんなどのガン細胞が、脳にまで転移したことによって患う転移性脳腫瘍(いてんせいしゅよう)があります。
どちらのケースも腫瘍が脳内の正常な部分を圧迫することで、体に影響を及ぼしてしまう。
死に至ることもある危険な病気です。

2.かかりやすい犬種と年齢



以下の犬種が脳腫瘍を発症しやすいと言われてます。
  • ゴールデンレトリーバー 13%
  • コーギー 13%
  • シェットランドシープドッグ 9%
  • ミニチュアダックスフント8.4

    発症しやすい年齢
    95%以上が7歳以上のシニア犬
上記の犬種以外にも、ボストンテリアがフレンチブルドッグなどの短頭種も、比較的かかりやすい傾向があるそうです。
特に高齢の犬の発症率が高い病気です。
しかし満1歳以下や、3歳~4歳程度の若年層の犬も発症することがあり、全ての年代や犬種で脳腫瘍が起きる可能性はあると考えられます。

3.症状



  • 歩行が不安定になる。ふらつく

  • 穏やかな犬が攻撃的になったり、吠え続けたりするなど、突然の行動の変化がおこる

  • 食欲が落ちたり、過食になる

  • 元気がなくなる

  • 眼球が不自然に揺れ動く

  • 家の中のいろいろな場所で排尿する

  • 頭を傾けたままにする

  • 頭を振ったり、家具などに頭をこすったりする

  • けいれんする


症状としては、腫瘍のできる場所によって症状が変わってきます。
発症した箇所によっては全く症状が見られない場合もあれば、けいれん(てんかん発作)だけが現れることもあります。
また、運動失調が起きることで元気がなくなったり、眼振という眼球が揺れ動く症状が現れることもあるのです。
愛犬のマルチーズに上記のような兆候があったら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

4.脳腫瘍の検査


  • MRIでの画像診断
  • 脳脊髄液検査
脳腫瘍かどうかの検査を行うことができるのは、MRIを完備している大きな病院のみです。
犬のMRI検査は麻酔をかける必要があるため、高齢犬の場合は検査をするのにもリスクを伴います。

まずは「愛犬の様子が少しおかしいかもな?」と思ったら、かかりつけの動物病院の獣医さんに相談をしましょう。
そこで検査に踏み切るか否かを話し合い、MRI診断をしようという決断に至った際は、大きな病院への紹介状を書いてくれるでしょう。

5.治療



  • 外科手術

  • 放射線治療

  • 抗がん剤

  • 科学療法

脳腫瘍を患った犬の体調に合わせて処置を選びます。
まだ犬の年齢が若く体力があり、腫瘍ができた場所が手術可能な位置であれば、外科手術に踏み切ります。
しかし、犬が老齢で手術が難しければ、緩和・放射線・化学療法を行います。


緩和療法は症状の緩和を目的とした治療です。
放射線治療はガン細胞に放射線を当て、その病状の進行を食い止める目的があります。
しかし放射線治療は未だに治療成功率が低く、また費用も高価です。
そのため、抗がん剤による化学療法と緩和療法を併用することが多いようです。


6.予防


  • ガンは予防が難しい
  • 定期的な健康診断の受診
  • 早期発見、早期治療をさせてあげること
脳腫瘍は原因がまだよく分かっていないため、予防することが出来ない病気なのです。
そのため、早期発見と早期治療が大切なのです。
普段から愛犬の素振りをよく観察し、脳腫瘍を疑うような症状が見られた場合は、早めに動物病院に受診することをおすすめします。
またシニア期の愛犬を持つ飼い主様は、年に2回は健康診断をさせてあげるといいでしょう。

さいごに

脳腫瘍の症状について解説しました。 
初期症状について知り、愛犬にも発症の可能性があることを覚えておくと、もしもの時に適切判断ができるかもしれません。

愛犬の様子が何かおかしいなと思ったら、動物病院へ行きましょう。