マルチーズが激しく痙攣。もしかして「てんかん」かも?

愛犬が激しく痙攣(けいれん)!びっくりしてしまいますよね。
それはもしかすると「てんかん」という脳の障害かもしれません。
どんな病気なのか。発作がおこったらどう対処するのが正しいのか。詳しく解説します。

1.「てんかん」って何?

・突然、発作が起きる脳の病気

・慢性の病気で繰り返すのが特徴

てんかんとは、慢性の脳の病気で、脳内の神経回路がショートし、突然発作が起きるという病気です。
犬ではおよそ100頭に1頭(0.55~2.3%)、猫では100頭に1頭以下(0.3~1.0%)の発生率があります。

てんかんの発作には、意識が無くなり、倒れてしまい痙攣するといった大きな発作から、体の一部がピクピクと震える程度のものまで、いろいろな症状があります。
通常のてんかんの痙攣は2分以内におさまり、もうろうとした後、しばらくすると何ごともなかったかのように通常の状態に戻ります。

2.てんかんの症状


てんかんは2種類に分けられます。

(1)全般発作

・意識がない
・バタンと倒れ、手足の屈伸運動や、四肢をピンと伸ばしのけぞったりする。
・よだれを垂らす、失禁、嘔吐が見られることもある。

全般発作における痙攣とは、ガタガタと体を震わせるのではなく、四肢の屈伸運動を繰り返すように全身的に発作がみられます。
また、不安、落ち着きがない流涎、嘔吐などの前兆があり、突然前足と後ろ足がピーンと伸びたり、横転したり、後ろへのけぞったりし、足や口を細かくガタガタと震わせたり、手足の屈伸運動や犬かきをして泳ぐような動きが続きます。

通常、数十秒から2~3分間で終わり、普段の状態に戻る場合と、しばらくもうろうとしたり、何が起きたか分からずそわそわした後に普通の状態に戻ります。



(2)部分発作

・意識が残っているが、呼びかけには応じることもあれば、応じないこともある。

・体の一部分が痙攣する

部分発作は、意識が残っているが体が動かなかったり、体の部分的な痙攣だけが起きているものです。
部分発作は、脳の一部分だけが興奮した状態となります。
興奮した部分の脳と関係する体の一部だけが変化してしまうので発作となります。

3.発作が起こる前の前兆


  • そわそわする
  • 物かげに隠れる
  • 飼い主に何か訴えるようにすり寄ってくる
  • 顔を振る
  • よだれを垂らす
  • 口をパクパク動かす

    これらの前兆が、直前に出ることもあれば、何日も続くこともあります。

4.発作が起きたらどうすればいい?


・愛犬の発作が起きたら、まずは慌てず落ち着きましょう。
・診察の時に少しでも有益な情報を獣医さんに伝えられるように、愛犬の様子を観察し、メモをとるとよいでしょう。

突然の発作に家族の方は驚いてしまうでしょう。
苦しそうな愛犬の姿にショックを受けるかもしれません。
しかし全身けいれんを起こしている時は意識が無いので、犬自身は苦しいとかつらいという感覚はありません。
なので冷静になって、注意深く見守ることが大事なことです。
メモをとっておくとよいことは以下です。

  1. 発作を起こした時は何をしていたか
  2. 発作の始まりはどこから起こったか
  3. それからどのようになったか
  4. 意識はどうであったか(常に声をかけて動物の視線を観察する)
  5. 始まりから終わりまで何分くらい経過したか
  6. 発作の後はどうなったか
  7. 完全に回復するのに何分くらい必要だったか
  8. 発作を起こす前に普段と変わった行動をとったか
  9. それは発作のどれくらい前であったか
 この発作状況の観察は、てんかん発作の型を見定める上で非常に重要です。
また発作の強さもわかります。
愛犬に発作が起きた場合には、上述の項目についてあらかじめメモをとっったり、発作の状況を記すノートを作りましょう。

獣医師が治療方針を決定する上で重要なデータとなります。

5.発作が起きたときの注意点


・愛犬の体をゆすったり、押さえつけて痙攣を止めようとしてはいけない。

・愛犬が嘔吐をしても、口の中に手を入れないようにしましょう。

また体をおさえたり、ゆすったり、口の中へものをいれたりもしないでください。
噛まれてしまうと飼い主さんがケガをしてしまいます。
人間の場合は痙攣を起こした時に舌がのどに詰まって窒息することもあるかもしれませんが、犬は口の構造上、ありえないので大丈夫です。
また、嘔吐してしまうと、器官に吐瀉物が詰まってしまうのが心配ですが、飼い主さんがケガをしてしまっては大変なので、痙攣が収まってからとるようにしましょう。

・ぶつかると倒れてくるような危ない家具はないか。
・階段から落下する心配があれば落ちないようにガードします。

 落ち着いて近くに危険なものがないかどうか、あるいは落下するような危険な場所でないかを確認しましょう。

6.発作が終わったら?


・呼吸があるか確認

・吐いてしまった場合は、口の中の物を取り除き、拭いてあげます。

・完全に回復するまで愛犬が階段に近づかないようにしましょう

・水を欲しがったら与えてもOK

・愛犬に優しく声をかけて、落ち着かせてあげましょう。

てんかん発作の後、犬自身何が起きたか分からず、ほえたり、よろよろしたりと混乱している場合があります。
何か悪い事をしたと感じているかもしれません。
飼い主さんは、落ち着いて愛犬を優しく撫でてあげましょう。

5分以上の痙攣や、連続でなければ、緊急で動物病院に連れていなくても大丈夫です。
愛犬が落ち着いたら、もしくは動物病院がすでに営業を終えていた場合は、日をまたいで連れて行ってあげましょう。

7.こんな時は危険!すぐに動物病院に連絡を!

・1回の発作が5分以上続く。

・意識が戻る前に、続けて2回目の痙攣がおこる。

・発作の後、30分たっても完全に回復しない。

・24時間以内に発作が2回以上起こる。

この4つのいづれの状況も危険です。
そのまま放置すると後遺症が残ったり、最悪の場合は死にいたることもあります。
すぐに動物病に連絡をしましょう。

8.どうしててんかんは起こるのか


・てんかんの発作は、脳の中の興奮性のシグナルと、抑制性のシグナルのバランスが崩れることでおこる。

 脳の中では、規則正しいリズムの電気が微量に流れています。
正常な神経細胞は電気的ショートを起こしている神経回路に対して、それが広がらないように抑えているのです。
しかし、体調や環境の変化などによってついに電気的ショートが周囲の神経回路に広がってしまうことがあります。
この時に「てんかん発作」が起きるわけです。

また、てんかんは原因によって2種類の呼び名があります。
原因不明の『突発性てんかん』と、何らかの障害によって引き起こされる『二次性てんかん』です。
突発性てんかんとは、原因不明や遺伝的要素からなります。
二次性てんかんとは、低酸素症、交通事故など外傷に擁る後遺症、脳腫瘍、脳炎、水頭症などからなります。
つまり、脳を傷つけるようなものすべてが原因です。
例えば、難産による低酸素症や、赤ちゃんの時やまだ脳がしっかり固まっていない子犬の時に、何らかの力で脳のどこかの部位が傷つくことによって、てんかんになってあらわれる場合もあります。
また、遺伝的な要素が関係していると考えられています。
ワンちゃんの場合、ほとんどが突発性てんかんです。

9.てんかんの治療方法


・薬物治療

・自宅での予防

治療方法は、病院での治療と、自宅でできる予防に分けられます。
病院での治療の場合、投薬治療を行うですが、長い期間での治療が必要で、発作が治まっても継続的に投薬が必要となります。
より効き目の高い薬剤を特定して、定期検査を受け、適切な薬治療法を行っていると、発作を抑制するのに効果があります。
治療の目安として、1か月に1度以上の発作がある場合、薬剤の投与によって3か月以上の間隔で1度の発作を抑えられることがあります。

自宅でできる予防の場合、ストレスの少ない生活や食事に気を付けましょう。
一度でも原因不明の発作を起こしたことがあるなら、発作要因を高めないよう普段からストレスフリーな飼い方を心がけましょう。
また、甘やかすと逆効果になるので、化学添加物の多いペット用スナックなどのお菓子や食べ物を与えないよう注意しましょう。

さいごに

いかがでしたか。
てんかんは発症してしまったら繰り返してしまう病気なので、てんかんとうまく付き合いながら、生活を続けていく必要があります。
愛犬がどんなサインを出したら発作になりやすいのかを把握し、飼い主さんが看病のスペシャリストになってあげましょう。
また、家の近くに夜間も受け付けてくれる病院を把握しておいたり、信頼できる獣医さんと日頃から関係をつくっておくのも飼い主さんの役目です。

信頼できる動物病院を探すには、クチコミがチェックできるペットライフが便利ですよ。