ボディコンディションスコア(BCS)モデルは愛犬の肥満チェックツール!

人間と同じように、犬にとっても太りすぎは心臓病や糖尿病をはじめとした病気のリスクを高めます。
では犬はどこから肥満なのでしようか。
それを知るための基準「ボディコンディションスコア(BCS)」についてご紹介します。

1.太りやすい犬種って?



犬の祖先のオオカミは、次にいつ獲物がとれるか分からないため、一度になるべく大量のエサを食べる習性がありました。
餓死の危険がなくなった現代の犬も、その習性が残っていて、エサを出されると食べ過ぎてしまう傾向があります。

また、犬の中でも猟犬にすることを目的として交配された犬は、長時間の労働に耐えうる体となるように栄養を蓄えやすい体になっていたり、寒い地域に住む犬は保温のため、脂肪を蓄えやすい身体になるよう繁殖されているので、太りやすいと言われています。
以下の犬種の飼い主さまは特に愛犬の体型について注意してあげましょう。

  • 小型犬:パグ、ケルン・テリア、ダックスフンド、スコティッシュ・テリア、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
  • 中型犬:ビーグル、コッカー・スパニエル、バセット・ハウンド、ダックスフンド
  • 大型犬:ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、ロットワイラー
  • 超大型犬:バーニーズ・マウンテン・ドッグ、ニューファンドランド、セント・バーナード

2.肥満度確認ツール「BCSモデル」とは



犬は同じ犬種でも骨格の付き方にばらつきがあるため、体重から肥満を判断するのが難しいです。
そのためBCSモデルを活用し、愛犬の肥満度合いについて把握するのが一般的です。

BCSとはボディ・コンディション・スコアのことで、犬を触ったり、見たりすることで肉づきを把握し、犬の体型を評価するものです。

BCS1 痩せすぎの犬 体脂肪率5%以下肋骨や腰骨などがくっきりと浮き出ている状態は、痩せすぎと判断されます。
真上から見た時に、砂時計のようにくびれが大きいのが特徴です。

BCS2 やや痩せている犬 体脂肪率5~15%
痩せすぎではないものの肋骨がやや浮き出ていてくびれも大きい状態です。
皮下脂肪がなく体形が華奢でウエストが細いと痩せ気味であると考えられます。

BCS3 理想的なな体型の犬 体脂肪率15~25%
理想的な体型の犬は、体重も標準で薄い皮下脂肪がついているため撫でると骨がわかるのが特徴です。
真上から見たウエストのラインも緩やかにカーブしています。

BCS4 やや肥満の犬  体脂肪率25~35%
見た目では肋骨がわからないほど皮下脂肪がついていて、腰回りにくびれがほとんど確認できない状態です。
横から見てもお腹周りが引き締まっていないことがわかります。

BCS5 肥満の犬 体脂肪率35%以上
皮下脂肪の割合が多く、真上から見ても横から見ても丸々としています。
見た目はもちろん触っても肋骨が確認できない状態です。
体重も基準よりも多く肥満と判断されます。
様々なリスクを考えてダイエットを進めることが大切です。


3.理想的な体系




それではさっそく愛犬の体型を見ていきましょう。
もし愛犬がBCS3の理想的な体系であれば、以下の3つのチェックするポイントを満たしているはずです。
  1. 触って助骨(あばら骨)がわかる
  2. 上から見て腰の前にくびれがある
  3. 横から見てお腹から後ろ足に向かって切れ上がっているように見える

4.BCSのチェックのしかた


①愛犬を横からみる
ウエスト部分のくびれに注意しながら体全体のラインを見ます。
毛の長い犬はなるべく体の線が見えるように毛を持ち上げると観察しやすいです。
胸からウエスト、そして後ろ足までのラインが下腹に向けて緩やかに上がっていれば、くびれがあると判断します。

②真上から愛犬のくびれ具合をみる
首から肩そしてウエストのラインです。
このウエスト部分で少しくびれてからお尻部分に流れていればOKです。
あまり大きくくびれませんが、人間と同様にウエストのみくびれるのが、上から見た犬の理想的なラインです。

③助骨(あばら骨)の感触をチェック
前足の付け根の少し後ろを両手で触ります。
毛が長い犬は体毛の中まで指を入れてましょう。
できる限り地肌に触れるように触れば、理想的な体系ならば肋骨の浮き出る様子が分かります。
皮下脂肪が多すぎなければお座りの状態でも肋骨に触れることができます。

④ウエストのくびれをたしかめる
先ほど上からみたウエストのくびれを、触ることでチェックします。

⑤腰骨を触ってチェック
最後に後ろ足の付け根からお尻のあたりを両手で挟み、腰骨を確認します。
肥満度が高いと皮下脂肪が多く腰骨が浮き出ていないので触ることができません。
 

5.どうして肥満チェックツールが必要なの?



・体型を把握することで、エサの量や散歩を判断し、健康を維持することができる。

昨今、室内飼いをする飼い主さんの増加、ドッグフードやおやつの与えすぎなどにより、肥満になる犬が増えています。
しかし飼い犬が肥満であるかどうかが分からないと、対策もできません。
犬の肥満はどれくらいの体型のことをいうのか、確認するために肥満チェックツールは必要です。

実際にドッグフードを与える時に、量の記載がパッケージにありますが、それは適正体重である場合の量が書いてあります。
例えば適正体重が7kg程度であるにも関わらず、肥満になり体重が増え、現在の体重が10kgの犬の場合を考えます。
その犬にパッケージにある10kgの犬に与える量のドッグフードを与えてしまうと、それは与えすぎになってしまいます。
今の体型が理想的な状態かどうかを把握することは、ドッグフードを与える量を確認する上でも大切です。

6.飼い主によって異なる犬の肥満度について

BCSモデルは、簡単に犬が肥満かどうかを確認することができますが、評価する飼い主によって、スコアは変わってきます。
それは犬の体重や腹囲といった客観的な数字のデータを使うのではなく、腰のくびれ具合や、腹部から後脚にかけてのつりあがりの程度など、見た目によって判断する項目があるからです。
そういった項目は、評価する人によって違いが出てきます。

BCSモデルは単独で活用するのではなく、体重の増減を参考にしながら肥満度合いを評価していくことが必要です。
またBCSモデルによる評価をした時には、写真を撮っておくことで、その後の変化について観察することができます。

また腹部ヒダという犬の後脚の付け根にある、たるんだ皮の部分を観察することで、簡易的に肥満かどうかをチェックすることができます。
肥満の犬は、この腹部ヒダがパンパンに張っています。肥満でない犬は、手で触って腹部ヒダを少し伸ばすことができます。

一度BCSモデルによる評価をしてそれで終わりではなく、複数の視点から観察し続けることが大切です。

7.犬の肥満のリスク


犬の肥満の多くは、飼い主さんによるエサのやりすぎが原因です。
中には病気によって肥満になる場合もあり、ダイエットを始める前に動物病院を受診することが望ましい場合もあります。

肥満により、犬はさまざまな病気になるリスクを負ってしまいます。

体重が増えることにより、関節や脚にかかる負荷が増え、椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼、関節炎になるリスクがあります。
また脂肪が増えることで、空気の通り道である気管が細い犬種の場合、気管が圧迫され呼吸困難の恐れもあります。

人間の生活習慣病としてよく聞く、高脂血症や糖尿病、循環器疾患のリスクも高くなります。
肥満により腎臓や肝臓の機能が低下すると、体内に老廃物が蓄積され、さまざまな病気や症状につながります。

まとめ

犬は肥満により、健康を損なうリスクが高くなります。
かわいい愛犬の喜ぶ姿を見ると、つい“おやつ”をあげたくなる飼い主さんもいるでしょう。
しかしそういった飼い主さんの行動が行き過ぎることによって、肥満の犬が増えているのが現状です。

BCSモデルを活用し、愛犬が肥満かどうかを確認することで、必要な場合には日々の行動を見直すことができるでしょう。
BCSモデルのスコアが「5」の時には、獣医師の指導のもと、体重をコントロールすることが必須です。
愛犬の健康を守ることができるのは、飼い主さんだけです。
長い間健康で一緒に過ごすことができるように、愛犬の肥満度について確認してみてはいかがでしょうか。