ヨークシャーテリアの子犬期とシニア期に気を付けることは?

ヨークシャーテリアが将来的にかかりやすい病気の傾向を知っていれば、子犬の頃からの食事や環境も、より長期的な視点から考えられるようになるでしょう。
愛犬に長生きしてもらうために、子犬期とシニア期に気をつけるポイントを解説します。

1.子犬期に気を付けること

ヨークシャテリアの子犬たち

(1)準備しておきたいもの

ヨークシャーテリアの子犬を自宅に迎えるにあたり、何から準備していいか分からない飼い主さんも多いのではないでしょうか。
長い目で見て、絶対に買っておいた方がいいものをご紹介します。

・階段やフローリングに滑り止めを張る


ヨーキー フローリング
人にとっては歩きやすいフローリングですが、犬からすると、ツルツル滑るスケートリンクのようにバランスがとりずらいのです。
フローリングは転倒によるケガや、足腰の関節に負担をかけてしまいます。
特にヨークシャーテリアは膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)という膝のお皿がずれてしまう疾患にかかりやすいので、愛犬が動き回るであろう範囲には滑り止めの工夫をしておきましょう。
以下のような対策があるので、住宅環境に合わせて、よりよいものを選択しましょう。

  • ペット用のマットを敷く
  • コルクマットを階段に張る
  • ペット用ワックスを塗る
  • 滑り止めスプレーを使う
  • 滑り止め靴下をはかせる
対策方法の詳細についてはこちらをご覧ください
知らなきゃマズい!フローリングから愛犬の足腰を守るためにしてあげられること

サークルやゲージを用意しておく

ヨークシャーテリアとゲージ
  • 愛犬のパーソナルスペースを確保してあげることで、精神が安定する
  • 将来的なしつけのことを考えると、ゲージに慣れておいた方が良い

『大好きな愛犬とは四六時中一緒にいたい。一緒に眠りたい!』と思う方も多いかもしれませんが、あまりおすすめしません。
犬は元々、穴の中に巣をつくって生活していました。
その名残で、自分だけの領域があることで安心できるのです。
放し飼いで家全体が自分の縄張りだと思ってしまうと、守らなければいけない範囲が広くなるため常に気が休まない状態になってしまいます。
そうすると主従関係をつくるのも難しくなり、しつけにも苦労することになります。

また、ヨークシャ―テリアの様な小型犬は飼い主への依存心が高くなる傾向があります。
寝る時もずっと一緒だと『分離不安』という一人でいられない精神病の一種になってしまう可能性が高いです。
子犬の頃は、ゲージの中で夜泣きをすることも多いですが、この時に慣れさせることも、将来を見据えたうえで大事な訓練となるのです。

ゲージについての詳細は、こちらの記事を参考にしてください。
トイプードルを飼うためにゲージの必要?ゲージのベストな大きさとは?
トイプードルをゲージを使って留守番させる4つのメリット3つのデメリット

・散歩では、しつけ以外の時はハーネスを使う


  • 首輪の方が、しつけに向いているが、体に負担をかける。
  • しつけに問題のない場合にはなるべくハーネスを使う。
ヨークシャテリアは呼吸器家の疾患にかかりやすいと言われています。
したがって呼吸器を圧迫する首輪は、健康のことを考えると向いていません。

しつけを覚えるまでの子犬の頃は首輪を使い、ある程度しつけを覚えて大きくなったらハーネスに切り替えるのもいいですね。

上手に使い分けましょう。
しかし首輪にしろハーネスにしろ試着して、ジャストサイズを探すのが良いので、子犬が来る前に準備する必要はありません。

ハーネスと首輪の詳しい解説はこちらをご覧ください
ヨークシャー・テリアのための首輪とハーネスの使い分けについて

(2)最初の1週間の過ごし方

ヨーキーの赤ちゃん

  • ゲージの中に寝床(ハウス)をつくり、ゆっくりさせてあげる。
  • 水、ごはん、トイレの時以外は、なるべく触らないようにする。
ヨークシャーテリアの赤ちゃんが家にやってくると、嬉しさばかりが大きくなってしまい触りすぎてしまがちですが、この最初の1週間は静かに過ごさせてあげましょう。
自分の母親と兄弟と一緒に生活していた中で、急に見知らぬ人の集まりの中で過ごすことになるため、戸惑ってしまいます。
子犬は自分の限度がわからないので、長時間遊びすぎると、疲労が蓄積して病気になってしまうこともあります。

生後4か月以下の仔犬は17時間眠ることもめずらしくありません。
抱っこしたいという気持ちをグッと押さえて、静かに見守ってあげましょう。

(3)赤ちゃんの食事

子犬の餌のやり方子犬の頃は体を作っていくために成犬よりカロリーも栄養素も多くとる必要がありますが、消化器官も未発達ですし歯もまだ乳歯なので硬いエサを食べさせることができません。
エサの与え方は、月例や年齢よって違ってきます。
もちろん個体差があり、必ずしも全ての犬にあてはまるわけではありませんが、一般的にいわれている月例や年齢にあわせたエサの与え方は次のとおりになります。

・2~3ヶ月

食事の回数は4回が目安になります。

このころに仔犬を引き取った場合は、急な変化による胃腸障害を起こさないために、量や回数、食べ物の硬さなど基本的に引き取った時と同じようにして与えます。
自宅で出産した仔犬の場合は、市販の離乳食やパピー用の高カロリーのフードを与えます。
ドライフードの場合はお湯や犬用のミルクでふやかしてあげるようにしましょう。

・3~6ヶ月

食事の回数は4回。量の差をつけて、だんだん2食に近づけていきます。

ドライフードの場合は便の様子を見ながら少しずつ硬い状態で食べられるようにしていきましょう。
おやつもこの時期から開始します。
この時期に乳歯が永久歯に生え変わるので、柔らかいものばかり食べていると顎の骨が弱くなったり、歯並びが悪くなります。

・6~12ヶ月

食事の回数は2食。朝食を多めにする。

成犬として体ができてきて体重の増加がおさまってきます。
成犬用のフードに変えていく時期ですが、いきなり変えてしまうと胃腸障害につながってしまいます。
もともと食べているフードに少しずつ混ぜて慣らしていくとよいでしょう。
基本的には朝食をメインの食事とし、12ヶ月を過ぎるまでは成長期なので餌の量は多めにします。
12ヶ月を過ぎた犬は1日1回の食事でも構いませんが、急に量を減らすのではなく、 1~2週間かけて徐々に餌の量を減らすように工夫してください。

健康を保つために必要な栄養素やオススメの餌はこちらをご覧ください
トイプードルにおすすめの餌は何?どんな栄養素が必要なの?

(4)3ヶ月までに『社会化』をさせよう

犬の社会化
  • 他の犬と交流する
  • 飼い主以外の人に、なるべくたくさん触れさせる
  • 家以外の環境に慣れさせる
  • ブラッシングや歯ブラシ、お留守番用のケージなど物になれさせる
犬には社会化期(しゃかいかき)というものがあります。
これは他の犬や、他の動物、 そして何より人間に対する警戒心をなくし、仲良く生活していくために必要な極めて重要な時期です。
およそ
生後1~3か月の期間を言います。
『社会化期』の子犬は好奇心旺盛で、初めて見るものや聞くものを興味津々で受け入れます。
しかし、生後4、5ヵ月になると自己防衛本能から警戒心が芽生え、みるみる好奇心を上回わります。
そのため見慣れないものや聞き慣れない音を怖がり、恐怖心からの吠えや攻撃などの問題行動が表れやすくなるのです。

子犬をお家に迎えたら、この警戒心が芽生える前に、たくさんの人や犬に会わせ、様々な音や環境に慣れさせるなど『社会化』を行うことがとても大切です。

詳しくはこちらの記事もご覧ください
犬のしつけは飼い主の義務。社会性を身に着けさせる3つの秘訣

(5)これだけはおさえたい!しつけ


・初日からトイレトレーニングをさせる

飼い始め初日の、不安で信頼関係のできていない状態からしつけをあれこれ教えようとしても上手くいきません。
最初はトイレトレーニングだけ行いましょう。

本来犬には清潔なスペースを保ちたい習性があり、ゲージ一面にトイレシートを敷き詰めると、次第に自分でトイレの場所を決める傾向があります。
決めた場所以外のペットシートを片づけます。
そして、ペットシートで排出できたらすぐに褒めます。
もちろん最初からうまくいくとは限りません。
うまくいったときは褒めてあげる(お菓子をあげると、トイレを小出しにする子が出てくるので注意が必要です)ことのが大切です。

ここで気をつけてほしいのは、失敗したからと叱ってしまうのは禁物です。
トイレが怖いものだと思い、隠れて粗相をしてしまうようになります。

失敗してしまったら、すぐに片づけて臭いもとり、何もなかったかのように振るまいましょう。

・噛み癖をつけないようにする

『指に歯が当たったら無視をする』を繰り返す。
犬は社会化期の前半に親犬や兄弟犬とじゃれたり、ケンカをしたりします。
それらを通じて「相手を強く咬むと、同じように強く咬み返されて痛い」という経験をすることで、咬む力を調節する事を学びます。

しかし、親元を離れ人と暮らすようになり、人を噛んでも楽しそうに遊んでくれるようになれば、「噛むことは良いことだ」誤解してしまう恐れがあります。
先述したように、社会化期にこのような認識をさせることは、将来攻撃行動という厄介な問題行動に結びつく可能性があり非常に危険です。
犬が今の時期に「咬みつく力の調整」を学ばなければいけないという事を意識して対応しましょう。

子犬がじゃれ合っている時に、指を嚙んでくるようになっても、叩いたりしてはいけません。
指に歯があたったら、「痛い!」と大きな声を出し、遊びを中断します。
10分ほど無視します。

しばらくして遊びを再開します。
ここでまた指に歯が当たったら声を出し遊びを中断し、「指を噛んだら遊んでくれなくなる」ということを覚えさせます。


ここで大切なのは、噛み癖が治るまで、家族でやり方を統一することです。

2.シニア期に気をつけたいこと


成犬期をスキップして、シニアに気をつけることを解説します。
なお、ここで言うシニアの定義は7歳以降のことを指します。

(1)生活環境の見直し

  • 通路を広くする
  • 入り込める隙間をなくす
  • 家具や柱の角に気を付ける
  • お気に入りのソファーに上るスロープをつける
  • 運動する時以外はゲージに入れる

シニア期になると、若いころは通れた廊下や家具の隙間もつっかえてしまったり、後戻りができず身動きがとれなくなってしまうこともあります。
家具の間は、Uターンができるように十分なスペースを確保するか、もしくは塞いでしまうのが良いでしょう。
また、視力が衰えてくると、柱や角の衝突も増えるので、ぶつかっても大丈夫なようにタオルを張っておくのもありです。

お気に入りのソファーに登りたがって落下してしまう事故を防ぐために、「登りづらそうだな」と気づいたら、スロープをつけてあげるのもよいでしょう。


(2)半年に一回は健康診断を

ヨークシャーテリアと獣医

老犬
になると病気も発症しやすくなります。
早期発見、早期治療をするためにも、定期的に検診を受けましょう。
犬の定期検診は1年に1度を目安にしている人も多いですが、老犬の場合はそれより少し頻度を多くした方がいいでしょう。
半年に一度はフルチェックをすることをオススメします。

もし病気が見つからなくても、異常がないことがわかれば安心できます。

老犬に関する情報収集をする意味でも専門機関でみてもらうのは価値のあることです。

家の近くの動物病院を探すならペットライフで探すのが便利です。

(3)老犬の食事

・食器に高さを出してあげる



老犬になると、飲み込む力が弱くなっています。
食べたものが胃にきちんと送られるように、食べるときの姿勢は大切です。
食器を台の上に置いて、頭の位置を高めにしてあげると飲み込みやすくなります。
この姿勢だと、前肢や首への負担も減らせます。

・いきなりシニア犬向けフードに切り替えない


シニアにはウェットフード
いつまでも若い時と同じ食事を続けるのは、肥満や内臓疾患のリスクを高めます。
年齢の経過と運動量を見ながら、低カロリーで上質なたんぱく質のシニア犬向けフードに切り替えていきましょう。


今まで慣れ親しんできたフードを一気に変えるのではなく、元のフードに新しいフードを混ぜることからはじめます。
9:1か8:2程度の比率からスタートし、食べかたや便の様子に注意しながら、3~4週間くらいかけて、シニア犬向けフードの比率を高めていきます。

また、老犬の食事では、嗜好の変化や強いこだわりが見られるようになります。

よく食べていたフードを急に食べなくなることもあります。
そんな時は、いつもとは違ったフードやちょい足しレシピを試してみましょう。
においの強いウェットフードを与えるのもいいですね。

(4)シニアにも散歩は必要

犬の足腰に優しい道

・無理なく、適度に運動させる

ヨークシャテリアはもともと多くの運動量を必要とはしませんが、好奇心が旺盛なので外界に触れさせてあげることはストレスをためない意味でも必要です。
もし歩きたがらなかったとしても、動かないと血行や内臓機能も悪くなりますし、痴呆にもなりやすくなります。
下記のことを注意しながら、適度にお散歩させてあげましょう。

・散歩道はなるべく芝生や土の上を

コンクリートは足腰に負担をかけてしまいます。
夏場のアスファルトは50~60度にも達し、肉球をヤケドさせてしまうこともあります。
土や芝生の上をなるべく歩かせてあげましょう。
それでも歩きたがらない子は、無理のないスピードでゆっくり歩かせてあげましょう。
少しだけ歩かせてあげたら、あとはだっこやカートでも大丈夫です。

まとめ

いかがでしたか。
犬は人間の6倍で年をとると言われています。
ついこの前まで子犬だったような気がしても、愛犬は日々年を重ね、次第に体の不調や病気などを抱えていきます。
もし愛犬がまだ子犬だったとしても、シニア期のことを考えるのに遅すぎることはありませんし、知っておくことで寿命を延ばすことができることが沢山あります。
愛犬の老化と向き合い、最後の時まで幸せに過ごしてもらえるよう、飼い主として必要な知識を身につけておきたいですね。